製造現場や検査ラインで、正確な画像処理を実現するには「適切な照明」が不可欠です。中でも“リング照明”は、多くの現場で採用されている定番の光源です。今回は、リング照明の基本から応用までを簡潔に解説します。
■ リング照明とは?
リング照明は、LEDを円形に配置した照明器で、カメラのレンズ周囲に設置されるのが一般的です。対象物に対して同軸に近い角度から均一な光を照射できるため、影や照度ムラが少なく、安定した画像取得が可能です。
■リング照明の分類
1.マルチリング照明
照明の高さによって用途を変えることができるため、ローアングル・斜光・ダイレクトとの照射角
度をフレキシブルに得ることが可能です。
旧タイプ(VRMD)に比較して30%以上の明るさ向上、さらにローアングル(リング照明)での 照射に有効な設計になっております。
・UMDシリーズ(RLGB含む)
高輝度仕様リング照明です。
RLGBはこちらから>>>UMDシリーズRLGB
2.レンズに取付け可能なリング照明
マクロレンズの先端などに取付けて照射出来る小型照明器です。
3.ローアングルリング照明
光源が水平に近い状態のため、平面反射を押さえた暗視野となります。
ローアングルに特化したリング照明です。
4.フラットリング照明
導光板を使用した薄型な照明器です。
イニシアルコスト不要で発光部及び開口部を任意のサイズにカスタムする事が可能です。
主に明視野で使用する場合が多いですが、発光部の開口部を最大にあけることにより暗視野で使用することも出来ます。
■ リング照明が選ばれる理由
1.均一な照明
対象物の凹凸や曲面にもムラなく光を当てられ、安定した画像処理が実現できます。
2.コンパクトな設置
レンズ周辺に取り付けるため、省スペースでありながら高い照射効率が得られます。
3.影の抑制
全周から光を当てることで、影の影響を最小限に抑え、欠陥検出などに有利です。
■ 活用シーン
・電子部品の外観検査(ハンダ割れ、異物付着)
・印刷物の文字認識(OCR/バーコード読取)
・樹脂・ガラス部品のキズ検出
・医療機器の形状確認や位置決め
■ 選定時のポイント
・サイズ:カメラと対象物の距離に合わせた内径・外径を選ぶ。
・色温度・波長:対象物の素材や色に応じて、白色・赤色・緑色・青色・赤外などを選択。
・照射角度:ハーフ拡散・フル拡散など、目的に応じて配光特性を考慮する。
・明るさ調整機能:照度可変機能があると、現場に応じた最適な光量設定が可能。
■ まとめ
画像処理におけるリング照明は、安定した画像取得のための重要な要素です。「光の選び方ひとつで検出精度が大きく変わる」と言われるほど、照明の役割は大きいのです。
照明の選定はカタログスペックだけでは判断できません。実際の対象物を用いた評価テストが成功への近道です。
照明選定にお悩みの方は、対象物のサンプルを用いた照明テストをぜひご検討ください。
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